結婚式を挙げるとなると以外にも決めることが多くその分、選択肢も多くなり時間もかかります。
会場を決めて、挙式日を決めて当日の演出・メニュー、お招きするゲストや会場のコーディネートなどなど…
その中には、もちろん衣装というものもあります。
結婚式当日、新郎として何を着ようか。という問題に当たります。
そもそも結婚式ではどのような衣装の種類があるのか。
どの様に決めていけば良いのかと分からないことが多く、何を着れば良いのかも分からないので店舗にも行けないという方少なくありません。
今回は結婚式において新郎としてどの様な衣装の選択肢があるのか。
何を基準に決めていくのか。
実際に現在のトレンドも合わせてご紹介していきます。
目次
新郎衣装〜種類編〜
まずは、新郎様が結婚式の際に着用する衣装の種類を紹介していきます。
種類は大きく4種類
・モーニングコート
・フロックコート
・テールコート(燕尾服)
・タキシード
という種類になります。
結婚式の新郎というとタキシードという印象が強いかと思いますが実はこれだけ多くの種類があります。
それぞれ個別にご紹介。
モーニングコート
モーニングコートとはフォーマルウェアでは昼の正礼装に位置付けされる衣装になります。
モーニングコートは、新郎衣装の4つの衣装の中では1番着られる方が少ない衣装です。
結婚式では、新郎様・新婦様のお父様が着用する事が多く衣装の被りがあるからという理由になります。
モーニングコート着こなし
JK:前裾が大きく斜めにカットされたもの。ジャケットの色は原則として黒色。衿型はピークドラペルで存在感のある太衿が一般的です。アスコットモーニングの場合はグレーになります。
そして、ジャケットの背中の裾部分に入るベントはフックベントが入ります。
トラウザーズ:黒とグレーのコールパンツ。(縞柄)
シャツ:白無地のウィングカラーまたはレギュラーカラー。カフスはダブルカフスでカフリンクスで留めて着用します。
スタッド&カフリンクス:シャツの前と袖口を留める工具になります。ホワイトの真珠または白蝶貝のもの。
タイ:白黒レジメンタル(縞柄)またはシルバーグレーの結び下げ。
ベスト:ベストはシルバーグレーの5つボタン。
サスペンダー:パンツを吊るサスペンダーはホワイト。ベルトでの着用はNGになりますので注意。
靴:靴は黒の内羽式プレーントゥまたはストレートチップ
フロックコート
フロックコートはモーニングコート以前、昼の正装として着用されていた衣装になります。
日本では、西洋のフォーマル文化が入ってきた明治5年、最初に定められた衣装はテールコート(燕尾服)とフロックコートでした。
そして、1919年(大正8年)にフロックコートに代わりモーニングコートが礼服として認められます。
なんといってもジャケットの丈の長さが特徴的で、モーニングコートや燕尾服のようにフロント部分にもカッティングが入らないので全体的にもロング丈の印象が強く出ます。
フロックコート着こなし
JK:結婚式で着用されるジャケットの色は様々。衿型はピークドラペル一般的です。
ノッチドラペルと呼ばれるスーツと同じ形も存在します。
トラウザーズ:スラックスはジャケットと共地の2P(ツーピース)での着こなしが一般的です。また、ジャケットとパンツで生地を変えるジャケパンスタイルも人気。
シャツ:白無地ウィングカラーシャツが基本になります。
タイ:アスコットタイと呼ばれる幅広のネクタイを着用するのが基本。結婚式の際はボウタイも人気。
ベスト:ベストは結婚式の雰囲気に合わせて様々なデザイン・色を取り入れます。ジャケットの丈が長いのでV字にカッティングされたシャープなものが人気です。
靴:靴は黒のストレートテップやプレーントゥ。
テールコート(燕尾服)
テールコート(燕尾服)以下テールコートとはフォーマルウェアではイブニング(夜)の正礼装に位置付けられる衣装になります。
長い裾が特徴的でエレガントな衣装です。
テールコートの最大の特徴は名前の通り前裾が燕の尾のようにカッティングされている点です。
ドレスコードで『ホワイトタイ』という指定があった場合はテールコートを着用します。
日本ではなかなか目にする機会のない衣装ですが、宮中晩餐会にお招きされたゲストの方や演奏会のシーンでは指揮者の方が着用する衣装になります。
テールコート着こなし
JK:ジャケットの色は原則として黒色。衿型はピークドラペルで存在感のある太衿が一般的です。衿の部分と腰ポケットの部分には拝絹(はいけん)と呼ばれる光沢のあるシルク地が入ります。
トラウザーズ:ジャケットと共地のブラック。パンツの脇に拝絹のラインである側章(そくしょう)が2本入ります。
シャツ:白無地のイカ胸ウィングカラーシャツ。これはテールコート専用のシャツになり、勲章をしっかりと留められるよう胸部分に張りのある胸当てが付いています。前は、スタッドと呼ばれる工具で留め、カフスはダブルカフスでカフリンクスで留めて着用します。
スタッド&カフリンクス:シャツの前と袖口を留める工具になります。ホワイトの真珠または白蝶貝のもの。
タイ:白無地のボウタイ(蝶ネクタイ)になります。
ベスト:ベストは襟付きの白ピケ。シングル・ダブル共にOKです。
サスペンダー:パンツを吊るサスペンダーはホワイト。ベルトでの着用はNGになりますので注意。
靴:靴はエナメルのストレートチップ。またはオペラパンプス。
タキシード
タキシードは、イブニング(夜)の準礼装に位置付けされるフォーマルウェアです。
ドレスコードで『ブラックタイ』の指定があった場合はタキシードを着用します。
海外のレッドカーペットや授賞式、映画でもよく見かける衣装になりますのでフォーマルウェアの中では比較的身近な衣装でしょうか。
結婚式ではタキシードという認識をお持ちの方が多いのも特徴的です。
タキシード着こなし
JK:衿、腰ポケット部分に拝絹(はいけん)と呼ばれる光沢のあるシルク地が入ります。 衿の形はショールカラーまたはピークドラペルが一般的です。
トラウザーズ:ジャケットと共地の着こなしが基本。パンツの脇に拝絹のラインである側章(そくしょう)が1本入ります。また、ジャケットとパンツで生地を変えるジャケパンスタイルも人気。
シャツ:原則は、白色。胸元にピンタックと呼ばれるヒダが入ったシャツが正式とされています。ピンタックシャツの場合はスタッドで前を留めます。最近はピンタックなしの比翼と呼ばれる、シャツのフロントボタンを隠す仕様のシャツも多く着られています。
衿はウィングカラーまたはレギュラーカラー。袖口はダブルカフスが現在一般的でカフリンクスで留めます。
スタッド&カフリンクス:シャツの前と袖口を留める工具になります。ブラックのオニキスまたは黒蝶貝のもの。
タイ:基本はシルク地の光沢のあるブラック。結婚式の際御新郎様はホワイトなどの着用もあります。
結婚式の雰囲気に合わせて色は様々な色が取り入れられます。
ベスト:ベストまたはカマーバンドを入れるのが正式な着こなしです。シングル・ダブル共にOKです。
結婚式の雰囲気に合わせて色は様々な色が取り入れられます。
サスペンダー:パンツを吊るサスペンダーはブラック。ベルトでの着用はNGになりますので注意。
靴:靴はエナメルのストレートチップ。またはオペラパンプス。
現在はタキシードが9割越え
では実際に結婚式ではどのような衣装が着られているのか見ていきましょう。
『ゼクシィ結婚トレンド調査2020』では以下のような結果が出ています。
表を見ても分かるように和装である紋服を除いた衣装では全国で見ても
・タキシード92.7
・フロックコート22.9
・テールコート(燕尾服)1.4
・その他5.5
というようにタキシードが9割を越す結果が出ています。
タキシードは結婚式としての特別感があるだけではなく、華やかな印象や自分好みに見た目の印象を見せることができることも選ばれる大きな理由でしょう。
モーニングコートやテールコートでは中に合わせる小物(ベスト・タイ・ポケットチーフ)の色や柄まで明確に決まってしまっていますので、印象作りがどうしてもしずらく仰々しく見えてしまうことも…
一方タキシードも公式のルールはいくつかあります。
・ベストまたはカマーバンドは必ず入れる
・靴はエナメルのストレートチップまたはオペラパンプス などです。
しかし、中に合わせる小物(ベスト・タイ・ポケットチーフ)の色や柄は自由に変えることができますので、結婚式のお2人のイメージや新婦のお色直しに合わせて幅広く選ぶことができます。
結婚式は1人ではなく新婦のドレスや会場などの全体のイメージもすごく大切になりますので合わせるアイテム次第で印象を自由に変えることができるタキシードが選ばれているのです。
また、スポーツなどをされていてどうしても既製品やレンタルでは綺麗に着ることができない人はオーダーという選択肢になってきますが、タキシードは結婚式後も、ご家族の結婚式の列席の際やフォーマルパーティー、海外旅行の際高級なレストランに行く際など様々なシーンで着用が可能です。
今後のことも考えるとタキシード一択になるというのは納得ができる結果です。
タキシードの今後の着用術についてはこちらで紹介しています。
タキシード以外を避けるわけ
実際に私自身、結婚式の御新郎様衣装をメインのお仕事としていますが、選ばれる衣装では圧倒的にタキシードが人気です。
人気というとその他の衣装もバラ付きはあるが、選ばれる印象かと思いますが10人接客したら10人がタキシードです。
これを100人まで広げると2名ほどの方が別の衣装を選ばれるイメージです。
現在はほぼ100%がタキシードです。
言い過ぎではないですよ?本当です。
ではなぜタキシードに決まるのか…
タキシードに決まるワケをその他の衣装の印象で解説します。
モーニングコート
ご結婚式の場合、モーニングは御新郎様・ご新婦様のお父様が着られることが多いので衣装の被りを避けたいというのが理由になります。
また、お昼の衣装であるということも大きな理由になります。
実際に午前中でお式が終わる場合でも結婚式の場合はイブニング(夜)の衣装を着用しても問題ありません。
これも海外の文化が影響しています。海外の結婚式では基本半日で終わるものではなく1日を通して行われます。昼から夜に時間がまたぐ場合は、お昼の時間からイブニングの衣装を着ても問題がないというのがフォーマルのルールにあります。
その場合はお昼の衣装よりもイブニングの衣装の方が格式が上になりますのでタキシードを着るのです。
また、着こなしの面でみてもことこまかにデザインまで決まっており、結婚式という華やかなシーンでは少し仰々しく見えてしまうので避ける方が多いです。
テールコート(燕尾服)
基本的に結婚式で着用する方は少ない衣装になります。
しかし最初から結婚式でテールコートを着ると決めてご来店したくださる方がいらっしゃり、着用される方もいらっしゃいます。
こちらもモーニングコート同様華やかなご結婚式では少しカッチりしすぎていて仰々しく見えるという印象を持たれる方が多いのが特徴です。
挙式の際はかっちりテールコートを着用しご披露宴ではタキシードにお色直しされる方もいらっしゃいます。
カッチリクラシカルに演出したい方にはテールコートはピッタリになります。
華やかさという面ではタキシードを選択される方の方多いということになります。
実はディズニーのミッキーさんが着ている衣装はテールコートになります。
結婚式のテーマがディズニーの方でテールコートを選ぶ方は意外にも少なくありません。
フロックコート
フロックコートは、日本ではタキシードの次に着られている衣装になります。
こちらは日本特有の結婚式衣装であり、バブルの時代に海外式のドレスを着る結婚式が浸透して行ったのに対して新郎衣装もより華やかなものとして着丈の長くカポリエスタンやポリエステルなどの化学繊維を混合したテカテカとした光沢感の強いフロックコートが広まっていきました。
現在でもこの時代の名残りとしてフロックコートを着る方がタキシードの次に多くなっているのです。
現在ではこのフロックコート、やはり昔のイメージがあることから避ける方が多くいる印象です。
また、着丈が長いのでなかなかスタイル良く見えず印象としても着用する方は少ない衣装になります。
最もカッコ良い衣装はデザインではなくサイズ感
結婚式において着用する衣装を色々見てきましたが、何を着るのかというのは自由です。
大切なことは主役である新郎・新婦のお2人がどの様な結婚式にしたいのか。
そのイメージに合わせて選んでいくこと。そして自分が着たい衣装を着るということです。
どの種類を着るのか、どんなデザインを選ぶのかというのは、あなたが中心になって決めていく部分です。
その中で、1つどんな衣装を選んでも大事にしてほしい事として「サイズ感」があります。
どれだけ自分の理想の衣装、デザインでもサイズ感があっていなければ、それだけで台無しです。
オーダーかレンタルでいうと個々のサイズに合わせて仕立てることの出来るオーダーの方がおすすめですし、レンタルの場合もどこまで自分のサイズ感に合わせてお直し対応してくれるか。
店舗によって様々ですので、できれば来店予約前に調べておきたいポイントです。
「サイズ感を制するものは結婚式衣装を制す」と覚えておきましょう。
まとめ
人生の中でも大きなイベントである結婚式。
そんな結婚式において衣装というのは式全体のイメージを左右するとても大切なものになります。
ご来店していただいた方の中には、「ドレスがメインで新郎の衣装はおまけのような扱いをされた…」とお話しを聞く方が意外にも多いです。
僕は声を大にして言いたい!
結婚式は新郎・新婦の2人が主役なんだ!!
衣装の面でもどっちがメインとかはない!!
どうか、新郎さんにも楽しみながら衣装選びをしてほしいですし妥協をせず自分の理想の衣装を着てほしいです。
自分の本当に納得のいくものを着ていないとせっかくの自分の結婚式なのに心から楽しめないと思いますよ?
今、この記事を読んで下さっているあなたが、新郎さんとして衣装を探しているのであれば
どうか妥協せず、最高の自分になれる衣装を選んでください。
主役はあなたなのですから。
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