結婚式やパーティーでタキシードを見た時、レッドカーペットなどで海外セレブがタキシードを着用しているのを見た時、スラックスの脇に1本ラインが入っていることにはお気付きでしょうか?
このラインについて実はあまり気付かれていない方が多くいます。
デザインだと思っていたという人やそもそもラインが入っていることを知らなかった人などがほとんどです。
ではタキシードに入っているあの謎のラインの正体とはいったい何なのでしょうか。
実はあのラインにもしっかりとした意味があり歴史があります。
謎のラインの正体について明らかにしていきます。
目次
謎のラインの名前は側章(そくしょう)
スラックスの脇に入ったただのラインの様に思われますが実はあのラインには側章(そくしょう)という名前があります。
側章とは主にタキシードと燕尾服のスラックスの脇の部分にシルクで入るラインになります。
タキシードと燕尾服ということでフォーマルウェアの中ではイブニングの衣装に入るということになります。
この側章は脇の縫い目を隠す役割があります。
その由来とは、脇に見える縫い目が見えるということが恥ずかしいこととされたという時代的な背景があります。
その脇の縫い目を隠し、美しく見せるために側章が取り入れられたのです。
また、このことから側章は高級仕立ての証として入っているという説もあります。
また18世紀〜19世紀頃に軍服として採用されたという説もあり、この頃の軍はナポレオン軍であったとか。
現代では、タキシード・燕尾服の証としての役割を担っているのです。
タキシードの証としての側章
謎のラインは側章(そくしょう)という名前でタキシードと燕尾服に入るものという事が分かりました。
タキシードとしての証となるラインという事になります。
タキシードとスーツでは大きな違いがあると思っている方も少なくないかと思いますが、実はジャケットとトラウザーズのディティールだけで見るとそこまで大きな違いはあまりありません。
では何がタキシードとスーツを分けるのか…
ジャケットでは、衿部分に使われる拝絹(はいけん)。タキシードには衿部分にシルク素材の拝絹が使われ、スーツには使われません。
そして、トラウザーズにはこのシルク地のライン。
ご存知側章(そくしょう)が入ります。
その他、細かな違いはありますがタキシードとスーツの大きな違いはこの拝絹と側章。
タキシードがタキシードであるためのもの。
たった1本のラインがタキシードかスーツかを分けるのです。
タキシードにおける側章の重要性がよく分かります。
タキシードとテールコート(燕尾服)での違い
側章はタキシードと燕尾服に入るということが分かりましたが、全く同じ様に入るわけではなくタキシードと燕尾服では側章にも違いがあります。
それは、入る本数です。
現在タキシードには側章が1本
燕尾服には2本の側章が入ります。
過去には側章の太さによってタキシードと燕尾服の違いを示していたという記述も残っていますが、現在のタキシードでの側章では細いもので1cmから2.5cm〜3cmで入れる方など様々な太さの側章が入ります。
太さから本数での違いに変わった背景としては諸説ありますが、太さよりも本数にしたほうが分かりやすいからというのが有力です。
確かに本数での違いにした方が明確に違いが分かることから納得できますね。
ドレスコードに注意しよう
タキシードと燕尾服で側章の本数の違いが分かりました。
タキシードは1本
燕尾服は2本でしたね。
フォーマルパーティーや結婚式などでは、ドレスコードというとのが定められる場合があります。
ドレスコードがある場合はタキシードまたは燕尾服になります。
しかし、親切に(タキシードで来てください)・(燕尾服で来てください)とは書かれません。
タキシードの場合はブラックタイ。
燕尾服の場合はホワイトタイという指定になります。
少しややこしく聞こえ、ブラックタイ=ブラックのタイで行けば良い。ホワイトタイ=ホワイトのタイで行けば良いと勘違いしてしまう方もいますがこの着こなしで参加すると恥をかくことになってしまいますので要注意です。
・ブラックタイータキシード
・ホワイトタイー燕尾服
しっかり覚えておきましょう。
側章は現在でも合ったほうが良いのか
オーダーをしていただくお客様の質問で多いのが現代でも側章は合った方が良いのかという質問です。
オーダーの場合は側章を入れる・入れないというのを自由に決めることが出来るのですが、現代ではその人の今後の使用法で変わってきます。
せっかくのタキシードになりますので本当のおすすめは是非とも側章を入れてもらいたいです!
今後もフォーマルパーティーや結婚式の列席などフォーマルなシーンでのタキシードとして使うことをお考えの方では、側章は是非入れていただくことをオススメしています。
公式のルール側章が入るというのが現代でもあるためフォーマルウェアとして残す場合は入れておきましょう。
一方、タキシードとしての着用機会が少なく普段スーツの着用が多い方で今後はスーツのパンツとしての使用したいという方には側章は入れなくなくても良いかと思います。
スーツシーンで側章があると側章は単にデザインという認識になります。
スーツなのにスラックスはタキシードという明らかにチグハグな装いになってしまうからです。
あくまでタキシード・燕尾服として着用する場合に側章はあるべきものになりますのでスーツに合わせる事が前提でお仕立ての場合はない方が良いかと思います。
まとめ
今回はイブニングのフォーマルウェアである燕尾服・タキシードのトラウザーズに入る1本・2本のライン。
側章について解説しました。
たかが側章と思いきや、側章が持つ意味や重要性は大きなものがありました。
何気ない部分、デザインと思っていた部分でも深く掘り下げていくと知らない事実がどんどん出てきます。
知っていくと段々と面白くなっていきますし愛着が湧いてくるものです。
少しずつ新たな発見や気づきを積み重ねていく事で自信を持って服を着こなす事ができるでしょう。
ファッションを楽しむ重要なポイントとして自信は大切です。
知識がなくてもファッションは楽しめますが、
知識を得る→実際に着てみる→自分の感性で感じてみる→感性が磨かれる→自信がつく
というサイクルが存在します。
あなたはこの実際に疑問に思ったことを調べて、この記事を見つけてくれました。
そして、側章の謎を解き自分の知識としたのです。
側章があなたの仲間になったのです。
これからもどんどん知識という仲間を増やしていきましょう。
仲間を増やしていく工程であなた自身もレベルアップしてるはずです。
そのお手伝いが、少しでも出来たなら僕はとても嬉しく思います。
それでは!おなりでした。
ありがとうございました。
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