サスペンダーとはスラックスが落ちこない様に肩からスラックスを吊るためのアクセサリーになります。
左右の方から吊るため、正確には「サスペンダーズ」と複数形で呼ぶ方が正確とされています。
サスペンダーとは英語となり、英国でサスペンダーとはガーター(靴下留め)を意味します。
・フランス語では「ブルテルbratelles」または「サスペンソワールsuspensoir」
・イギリスでは「ブレイシーズbraces」と呼ばれている。
サスペンダーの登場は1787年頃と言われており、現在はフォーマルシーン、ビジネスシーン、カジュアルシーンでも幅広く使用されていますが、なぜベルトではなくサスペンダーを選ぶのか。
それにもしっかりと理由があります。
目次
サスペンダーを選ぶ理由
1つは肩からパンツ全体を吊り上げるためにスラックスのシルエットが綺麗に着付け可能で、ベルトよりも腰(ウエスト)部分がすっきりと綺麗に見えるためです。
特にベストも着用する3P「スリーピース」での着こなしの際は、ベルトではなくサスペンダーを用いるのが常識とされており、中でもフォーマルシーンでは必ずサスペンダーを用います。
元は下着の一種であり人目にさらすことはマナー違反とされていたサスペンダーですが、
これに対し、華やかな柄八色などを用いたカジュアルシーンにてよく見られる「カジュアルサスペンダー」は1970年代のジーンズの大流行をキッカケに誕生したものでフォーマル、ビジネスシーンとは違い、外側に出し1つのファッションアイテムとして着飾るのが最大の特徴です。
サスペンダーの種類
・フォーマルサスペンダー:フォーマルシーンやビジネスシーンで用いられるサスペンダー。昔ながらの伝統的なデザインのものを指し無地が基本とされ、まれに縞柄も見受けられます。
フォーマルシーンに合わせるサスペンダーはブラックまたはホワイトで色や柄ものはNGとされ、
元が下着としての装飾品というところから、本来シャツと同化し目立たなくさせるべきとされています。そのため白のサスペンダーが最も礼服に向いていると言われ正式とされています。
日本では燕尾服専用とされています。
⚠️日本ではタキシード、モーニング用として使われていますがこれはあくまでも日本的な考え方とされている事を知っておきたいものです。
・カジュアルサスペンダー:なるべくシャツと同化させ目立たなくさせ、現在でもベストまたはカマーバンドで隠すように使用するフォーマルサスペンダーとは違い、サスペンダー自体にも鮮やかな色や柄などがゴムの部分に用いられ1つのファッションアイテムとしての感覚で使用する事が特徴です。19960年代からの映画などで俳優がサスペンダーを見せる様なシーンから1つのファッションアイテムとしてサスペンダーを使用する機会が見られました。
「ボタン式」と「クリップ式」
サスペンダーの構造としてはデザインにていくつかに分けることが出来ます。
「ボタン式」と「クリップ式」
ボタン式:先端部分で二股に分かれておりその両側にボタンホールが開いており、スラックスの内側に取り付けられたボタン(サスペンダーボタンまたはブレイシーズボタンと呼ばれる)に取り付けスラックスを吊るサスペンダー。クラシックなサスペンダーでよく見られます。本格的なものはボタンホール部分がレザーで作られたものが多いです。
クリップ式:ボタン式よりも簡易的なものとされ、二股に分かれた先端にそれぞれクリップが取り付けられたものです。そのクリップでパンツのベルト部分上端を挟みパンツを吊り上げるサスペンダー。
これら2つの要素を取り入れたボタンとクリップどちらでも取り付け可能なサスペンダーも存在します。
(左)ボタン式 (中)クリップ式 (右)混合式
バックスタイルによる種類
サスペンダーを吊った際の背の部分であるデザインの違いもあります。
型は、H型、X型、Y型、ショルダーホルスター型の4種類。
主流となる時期がそれぞれ異なり18~19世紀前半にH型とX型
19世紀中ごろからはY型が主流となります。
現在は主にY型とX型が主流となり、フォーマルシーンではX型が多く見られます。
サスペンダー注意点
サスペンダーでスラックスを吊る場合はベルトでスラックスを履くよりも注意する事があります。
1つ目は股下(パンツ丈)です。これはベルトでも同じですが、股下が合っていないとサスペンダーで吊った時に美しいシルエットになりません。
サスペンダーで履く事を想定し購入する際はオーダーでも既製品でもサスペンダーで吊った状態で股下を合わせておくと良いです。ベルトで履く時よりもサスペンダーは上に吊るので丈も上に上がります。ベルトではピッタリだったけどサスペンダーで履くと股下が短くなってしまったという事や股上の深さがたりずお尻に食い込んでしうという事が起きます。フォーマルウェアの場合の股下のオススメはサスペンダーで吊った状態でクッションと呼ばれる靴の上に出るゆとり(たるみ)がハーフからワンクッションある様に仕立てるととても美しいスラックスになります。
2つ目はサスペンダーで吊り上げすぎないという事です。下がってくる事が嫌でサスペンダーをギリギリまで締め上げてしまう人もいます。しかし必要以上に吊り上げてしまうと、お尻部分が食い込みます。サスペンダーは指が2本ストレスなく入る態度にし、シャツにシワが入ってしまっている場合は上げすぎな事が多いので気持ち緩めて使用する事がオススメです。
アームバンド
アームバンドとはシャツガーターと呼ばれるアクセサリーになり「アームベルト」と呼ばれることもあります。
縦に取り付けるバネ式のものと、腕を通して使用する輪ゴム状のものがあります。
現在はバネ式よりも輪ゴム状の方が一般的です。
アームバンドは肘の関節部分やや上に取り付けます。
着用後シャツが落ちてこないようにやや強めに付けます。
いきなり長時間装着するとストレスになる事もありますので、まずは少ない時間やいつでも外せるようなカジュアルな場で装着してみて慣れておくと良いです。輪ゴム状ではストレスがある場合はバネ式も試してみるといいでしょう。
《アームバンドの取り付け位置》
(左)右腕:アームバンドなし 左腕:アームバンドあり (中&右)つける位置は肘の上
オススメのサスペンダーブランド
ワンランク上の紳士を目指すためのサスペンダー
サスペンダーについて色々と紹介してきましたがどんなサスペンダーがオススメなのか、オススメのブランドが知りたいという方に向けて、オススメのサスペンダーをご紹介します。
・ALBERT THURSTON(アルバートサーストン)
albert thurston(アルバートサーストン)は1820年創業のロンドンのサスペンダーブランドになります。なんといってもその特徴は職人により手作業で製造されている点です。
英国の名品や歴史あるブランドではよくある事ですが熟練された職人が代々その技術を次の世代に受け継いでいく。そして伝統と歴史を繋いでいく。また、その時代にあった新しいデザインなどの提案をしています。albert thurston(アルバートサーストン)もその1つです。
紳士には欠かせないアクセサリーとしてもalbert thurston(アルバートサーストン)はその地位を確立し世界中の紳士やVIPに愛されています。男性の憧れでもある007のダニエル・クレイグ扮するボンドが使用している事も憧れる理由になりますね。
クラシックなデザインの中にもポップなデザインなものもあり、1つ持っておくといざという時にも便利です。プレゼントとしても喜ばれる事間違いなし、あまり頻繁に買い換えるものでもないからこそ至高の逸品を職人による伝統と歴史を感じてみてはいかがでしょうか。
ワンランク上の自分に出会える事間違いなしですよ。
まとめ
《サスペンダーまとめ》
・サスペンダーとは英語。フランス語では「ブルテル」または「サスペンソワール」イギリスでは「ブレイシーズ」と呼ばれている
・フォーマルシーンでは必ずサスペンダーを使用する。
・フォーマルサスペンダーとカジュアルサスペンダーがある。
・サスペンダーの構造は「ボタン式」と「クリップ式」
・バックスタイルはH型、X型、Y型、ショルダーホルスター型の4種類。
コメント