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【ここだけは押さえよう】タキシードシャツ

タキシードにはルールがある。

このことは知っている人が多いかもしれません。

しかし、タキシードはフォーマルウェアになります。

フォーマルウェアとは、着こなしにルールがあるというのが正解です。

この服装にはこの着こなしという明確なルールが存在するのです。

タキシードに意識を集中していて、その他の小物で残念な服装になっている方少なくありません。

その小物の中から、今回はタキシードを着る際のシャツについて紹介していきます。

シャツだけでも意外と多くのルールとその理由となる歴史が存在します。

タキシードを着る際のシャツのルールとして歴史を絡めてその理由を明らかにしながら解説していきます。

目次

フォーマルシャツのカフスについて

フォーマルシーンではシングルカフスとダブルカフスどちらが正式か。格式が上かということに関して、人それぞれお持ちの意見が違うのが現在の特徴です。

そこで、歴史を振り返りながらどの様な違いがあるのか解説していきます。

カフスの種類

シングルカフスとは

シングルカフス

一重にて仕立てられた折り返しのないカフスを指します。

現在では最もオーソドックスなタイプとされ、ビジネスシーンからカジュアルシーンでもシャツのカフスではシングルカフスが多いです。

ダブルカフスとは

ダブルカフス

袖口を折り返し、二重になっているカフスを指します。

長めに仕立てられたカフスを折り返しにし、袖口にカフリンクスというアイテムを用いて袖口を留めます。

カフリンクス

シングルカフスとダブルカフスの誕生

カフスの歴史として初めに登場したのはシングルカフスです。

1850年頃の誕生時は、現代のように袖にくっついておらず取り外しが可能なシングルカフスでした。

当時は、硬いのり(ハードスターチ)を用いてパリッパリに硬いのも特徴です。

すごく硬いそのカフスは、折り返す事など出来ませんでした。

どのくらい硬かったかというと、普通に洗濯したくらいでは糊は全く落ちず釜茹でにして糊を落としていたというほどです。

一方ダブルカフスの誕生は19世紀末。カフスが柔らかな風合いに変わることをキッカケにダブルカフスが誕生します。

現在フォーマルシーンでダブルカフスが主流なわけ

ダブルカフスはシングルカフスを戯れで折り返したものとされ、シングルカフスの方が格式が高いと言われます。

そのことから、燕尾服では現在でもシングルカフスが好まれて使用され流ことがあります。

しかし、現在フォーマルウェアでは全体的にダブルカフスのシャツが主流となっています。

その理由は、格式が高いシングルカフスと現在流通している皆さんの想像するシングルカフスは別物だからです。

(ん?どゆこと?)ってなりますよね。

皆さんが現在よく見るシングルカフスを想像してみてください。

カフス柔らかくないですか?糊でパキッパキのものではないはずです。

格式が高いとされるシングルカフスは糊で硬くされたシングルカフスなのです。

当時のダブルカフスはその柔らかな風合いからソフトカフスと呼ばれることからも硬さが重要ということが分かります。

ダブルカフスはカフリンクスで袖口を留めるため華やかな印象にもなりますし、現代はダブルカフスの方が主要になりつつあります。

オーダーシャツで糊付きカフスが仕立てられる場合は、糊付きのシングルカフスもオススメですよ。

ボタンを見せない理由

フォーマルシャツでは、基本的にボタンを相手に見せるということがよろしくありません。

この伝統はシャツの歴史を見ていけばよく分かります。

現在シャツはインナーでもありアウターとしても役割もありますが元は下着として誕生しました。

今で言うパンツと同じ分類にあたります。

下着の誕生よりもシャツの方が先に誕生し、着丈を長く仕立てたシャツをパンツの代わりとして使用されていました。

このことから、フォーマルにおいては下着だったシャツを相手に見せることは失礼に当たりますのでベストまたはカマーバンドを必ず入れると言うルールがあります。

その中でもボタンに関しては、下着の装飾品に当たりますので見えてはいけない部分になるのです。

よって、フォーマルシャツではスタッドと呼ばれる工具で前を留めるか、比翼と呼ばれるボタンの上にもう1枚生地を被せてボタンを隠す仕様のシャツのどちらかになります。

本来はスタッドで留められたヒダ付きのピンタックシャツが正式になります。

スタッド

胸元にヒダが付く理由

フォーマルシャツでは胸元にヒダが付きますが、これにも理由があります。

先ほど紹介した、シャツは元をたどると下着だったところに話は戻ります。

ベストやカマーバンドを中に入れても、ジャケットを着るとどうしても胸元のVゾーンは見えてしまいます。

そこで、別生地を用いて胸元にピンタックを入れることで、下着としての部分を上から覆い隠したのです。

これがフォーマルシャツにヒダが入る理由とされ、ヒダが入るシャツの方が正式とされています。

燕尾服(テールコート)の際着られるイカ胸シャツも胸部分には別生地が用いられています。

カラー(衿)は2種類

フォーマルシャツにおいて衿の形は2種類です。

ウィングカラーまたはレギュラーカラーになります。

それぞれ見ていきましょう。

ウィングカラー

ウィングカラー

ウィングカラーとは立ち衿とも呼ばれ衿先は尖っており先のみが折り返されて三角形に見えるのが特徴です。

昔より燕尾服などの正装に用いられており現在でもフォーマルシーンでは最も基本とされる衿型になります。

レギュラーカラー

レギュラーカラー

主に普通衿と呼ばれる現在のシャツで最もオーソドックスな衿型とされています。

ブランドごとに呼び名が違うと言うのも特徴になります。

その一例としてはブルックス・ブラザーズではテニスカラーと呼ばれます。

ウィングカラーとレギュラーカラーはどちらが正式か

元々タキシードが誕生する前、正装として燕尾服(テールコート)を着用していました。

その際着ていたシャツはウィングカラー。

肌を相手に見せることはよろしくないよされる風習から、胸元のしまったウィングカラーだったのです。

ウィングカラー

その後、リラックスした普段着としてタキシードが誕生します。

公式の場では、燕尾服を着ていましたが時代とともにそこまでかしこまった場でない場合はタキシードを着ていくようになります。

その際、シャツの衿はウィングカラーではなく普段から着ていたレギュラーカラーでした。

レギュラーカラー

このことから、元をたどるとタキシードにはレギュラーカラーとなりますが現在では格式の高い式典でもタキシードを着用します。このことから、よりフォーマルな場で正式とされるウィングカラーを合わせることは決して間違いではありません。

現代の傾向としてタキシードは夜の正礼装としての立ち回りをしています。

そのことから現在はタキシードでもウィングカラーを合わせる方が一般的とされています。

まとめ

タキシードはフォーマルウェアになります。

普段の自分の気分で着る服を決めるカジュアルな服装とは違い世界共通のルールとして存在しています。

であるならば。そのルールから外れると言うことは単に自分が無知で恥をかくということだけでなく

その場にいる相手にも、その式典自体の格式すら下げかねません。

しっかりとルールを知ることでその場その場で的確な衣装を選ぶことができますし、そのルールの範囲内で自分らしく個性を出すことも可能です。

シャツだけでもこれだけのルールが存在します。

知っていけば知っていくほど奥深いフォーマルウェアですがその分大人にだけ許された究極のオシャレとしての楽しさがあります。

一歩一歩素敵なジェントルマンを目指していきましょう。

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